オーボンコワンでお客様にお出しする料理やデザートはすべてお店で作ったもの。
ソーセージ、ベーコン、ハム、パテやテリーヌなどのシャルキュトリー、パイ生地やサブレ生地、アイスクリームやシャーベット。フォンドヴォーやブイヨンはもちろんのこと、付け合せのパスタだって例外ではありません。
みんな自家製、みんな手作りです。
そして、バゲット。
ときどきお客様に聞かれます。「パン美味しいね。どこで買ってるの?」
そんな時は胸を張って答えます。「自家製です。お店のオーブンで焼いてるんです。」
レストランの厨房でおいしいパンを焼くのって、実は意外と難しい。
季節によって、温度も湿度もばらばらだし、何よりもパン屋さんとはオーブンが違います。
初めは試行錯誤の繰り返しでした。膨らまなかったり、香りが弱かったり、弾力が少なかったり。
パン屋さんのパンのほうが美味しいのなら買えばいいんです。自分で焼くのなら、パン屋さんのパンに負けないものでなきゃ意味がない。
バゲットの材料は小麦粉と塩と水。ごまかしは利きません。いろいろ考えたり工夫したりして、やっと満足のいくバゲットが焼けるようになりました。
だから今、胸を張って答えています。
「自家製です。お店のオーブンで焼いてるんです。」
あッ‼ワインとチーズは買ってます。